PS版ドラゴンクエストⅦ(DQ7)のプレイ日記、今回はバロックの時計塔が特徴的な芸術の街、リートルード編をお届けします。
ドラクエ7の中でも、特にSF色が強く、そして人間ドラマが濃厚なこのシナリオ。
「明日が来ない」というタイムループの絶望感は、プレイヤーの精神をもじわじわと削ってきました。
そしてリートルードといえば、忘れてはいけないのが過去の「グリンフレーク」の物語の続きです。
ドロドロとした愛憎劇を繰り広げたペペやカヤたちが、その後どうなったのか…
クルエイチバロックという男の生き様は、過去と現代を通して見ると印象がガラリと変わりますねぇ。
美しい時計塔と奇妙な違和感
主人公たちがクレージュの次に訪れたのは、芸術の町?(過去はバロックだけか…)リートルードでした。


第一印象は「なんて平和で文化的な街なんだろう」というもの。
街のシンボルである巨大な時計塔は、PS版のグラフィックで見ても荘厳で美しく、特に闇を感じず生活感がある町でワクワクしました。
ちょうど翌日には、街の新たな橋の完成を祝う式典があるとのこと。
「これは楽しいイベント回かな?」
そんな期待を胸に、その日は宿屋で休むことにしたのですが……。
この時すでに、私たちは奇妙な違和感の中にいたのです。


とりあえず町を一通り探索してみます。
医者のクリーニが宿屋の娘・エイミが足を捻挫しているからしばらく預かる(入院?)という話を目にしましたが、それ以外は特にこれと言ったイベントはありませんでした。
同じ一日を繰り返す恐怖!
リートルード編の最大の特徴は、何と言っても「タイムループ」です。
ストーリー上の演出だけでなく、プレイヤーの精神も削ってくる仕掛けが満載でした。
宿屋に泊まっても進まない冒険


翌朝、目を覚ますと何かがおかしい。
昨日足を怪我したはずのエイミが元気に走っている。
街の人々の会話も、昨日と同じような反応。
もう一度宿屋に泊まってみても、やってくるのは「橋の完成式典の前日」。
そう、この街は「明日が来ない世界」に閉じ込められていたのです。
宿屋に何度泊っても、日付が変わることがない。
この演出、地味ですが背筋がゾッとするような怖さがあります。
レベル上げも水の泡? 『無限ループ』
無限ループときたら最初に試すのは、レベル上げやお金がどうなるか、ですよね!
安心してください、システム的には経験値やゴールドは引き継がれます。


ただし、精神的ダメージは蓄積していきます。
橋の警備をしている兵士?に話しかけないとストーリーが進まないのですが、これが意外と気づきにくい!
リートルードの町の中をくまなく探索しても話が進まない…
完全初見ではこの無限ループから脱出するのは結構難しいので、精神的に辛くなります。
変人建築家バロックと時計塔の秘密
ループする時間を止めるには、この街の時計塔の秘密を暴かなければなりません。
そこでキーマンとなるのが、変わり者の建築家バロックです。
彼のアトリエでのイベントから、元凶であるタイムマスターとの決戦まで、物語が大きく動くパートを振り返ります。
芸術か狂気か?バロックのアトリエ
バロックのアトリエを訪ねてみると、そこは奇抜なデザインの建物。
彼は「美しさ」の基準が独特で、世間一般の綺麗なものを「つまらん」と切り捨てる偏屈なオヤジです。


正直、第一印象は最悪でしたが(笑)、ここで人付き合いを放棄する訳には行きません。
「時計塔を調べてこい」とバロックに指図されるので、素直に従います。


受け取った鍵を使って時計塔の最上階に行き、レバーを動かすと…BGMがなぜか停止。
時計塔を降りてみると、時間が止まって主人公たち以外はみんな固まっていました。


時のはざまの洞窟とタイムマスター


時計塔で時間を停止した後、医者・クリーニの家の地下室で怪しく絵画が乱れているところを発見。
地下室ではクリーニが、エミリアの手紙を読んだまま固まっていました。
のぞき見すると、人間関係が見えてきますね!


絵画の中に入ると「時の狭間」ダンジョンがありました。
そこを抜けた先に待っていたのは、時間の流れを乱す元凶・タイムマスター。


時間を操る敵というのは、RPGにおいて最強クラスの絶望感があります。
タイムマスター戦では、「時の砂で戦闘開始時まで巻き戻す」という鬼畜技をタイムマスター配下のモンスター・マキマキが使ってきます。



こちらが時間をかけて削ったダメージを無に帰すような技…


激闘の末、タイムマスターを倒し「時の砂」を手に入れた瞬間。
ようやく、本当にようやく「明日」が来る。
朝日が昇り、橋の開通式が始まった時の開放感は、ドラクエ7の中でも屈指の感動ポイントでした。



リイマジンド版では廃止が明言されているリートルード。
全体的に暗い話が多いDQ7において、切なくもどこか爽やかな余韻があるリートルードが廃止なのは残念…
グリンフレーク:ペペとカヤのその後
時間の流れが正常に戻ったことで、過去の冒険で未解決だった「グリンフレーク」の人間模様にも動きがありました。
かつての昼ドラのようなドロドロとした愛憎劇は、数十年という時を経てどのような結末を迎えたのか。


過去のグリンフレークでは「カヤ→イワン→リンダ⇔ペペ」という構図でした。
イワンの破産と町の変貌


リートルードからバロックの橋を渡った先は、かつて騒動を起こしたイワンやペペがいる、約30年後のグリンフレークでした。
イワンはリンダと結婚し、父ボルックの跡を継ぎましたが、周囲の反対を押し切ってハーブ園をブドウ園に改造した結果、見事に経営に失敗し、破産していました。
屋敷の主は、イワンからブドウ園を買い取りハーブ園に戻した富豪のカサドールに取って代わられています。
イワンは仕事を全くしない怠け者と化しており、リンダは彼に愛想を尽かして既に町を出ていっていました。
カヤとカサドールの結婚、そして毒殺未遂事件


かつてイワンに想いを寄せていたメイドのカヤは、新しい屋敷の主である富豪・カサドールと結婚。
裕福な生活を送っていましたが、カサドールは重い病気を患い、ほぼ寝たきりです。
どうやら、カヤはイワンへの想いを諦めきれておらず、カサドールの料理に毒物を混ぜるという火曜サスペンスもビックリの事件を起こしていました。
この毒こそがカサドールの病気の原因でした。
カヤが味付けに失敗したとして捨てた料理を犬のコパンが食べて倒れたことで、メイドのチェリがこの真実に気づき、カヤが落とした「むらさきの小ビン」を証拠として主人公たちが発見します。
イワンの自己犠牲とカヤの追放


毒殺未遂の真実が晩餐の席でチェリによって暴かれた際、イワンが現れ、「カヤに命じて、カサドールさんを病気にさせたのは俺だからな」嘘をついて庇いました。
この行動は、堕落したダメ人間となっていたイワンの勇気として、息子エペや一部の住民から見直されました。
結果として、カサドールはイワンとカヤの二人に対し、町から出ていくよう命じます。
これにより、グリンフレークでのドロドロの愛憎劇は一旦完結します。
ペペの成功とリンダの悲劇的な運命


一方、町を出て行った庭師のペペは、グリンフレークの東に「メモリアリーフ」というハーブ園を開き、イワンとは反対に事業を成功させていました。
彼はリンダへの未練から生涯独身を貫き、後にリンダという名の少女を養女にしています。
しかし、リンダはイワンの荒れた生活に耐えかねて家出した後、ギュイオンヌ修道院に身を寄せ、シスター・ベシアと名乗って生活していました。
彼女は家族を捨てたことを恥じ、ペペに直接会うことはせず、遠くからメモリアリーフのペペの庭を見守っていましたが、若くして病で亡くなっていました。
墓前での後悔:ペペの臆病さがもたらした結末


主人公たちは修道院でリンダ(シスター・ベシア)の墓を発見し、彼女の本名と、ペペのハーブ園を見守り続けるというメッセージが刻まれていることを知ります。
ペペは、リンダがすぐ近くにいたこと、そして自分への想いを抱えたまま亡くなったことを知り、過去にリンダとの駆け落ちを拒み町を出なかった自身の臆病さを深く後悔します。
総じてペペは、他者を思う優しさを持っていたものの、向き合うべき選択を放棄した結果、しこりを残す人生を送った人物と評されています。
この2回目の訪問は、石版を集めるフラグとは関係ないため、イベントに関心がない場合はスルーすることも可能です。
この一連のドラマを見ることで、現代のグリンフレークが廃墟となった背景や、メモリアリーフという新しい町が誕生した経緯、そして登場人物たちの悲劇的な結末が明らかになります。
【現代】ランキング協会とバロックの塔
過去の重苦しい物語を終え、現代に戻ったリートルードは活気にあふれていました。
ここからは、ドラクエ7のお楽しみ要素である「ランキング協会」での寄り道と、現代に残された「バロックの塔」で明らかになった、ある男の意外な真実についてレポートします。
世界ランキング協会で寄り道!
現代では、リートルードの名物「世界ランキング協会」がありました!
「カッコよさ」「かしこさ」「チカラじまん」部門で1位を目指すことができます。
過去の鬱々とした雰囲気を吹き飛ばすように、マリベルやガボを着せ替えてランキング登録!
掲示板に自分のパーティの名前が載ると、やっぱり嬉しいですね。



こういう寄り道要素があるからドラクエは辞められません!


カッコよさランキングダントツの1位のローズは、手紙を届けるイベントをこなさなければずっと1位のままです。
かなり面倒ですが、ローズの手紙を残しながらローズのランキングを削除することも出来るので、アイテムをコンプしたい人はしっかり順序を守って回収ましょう。
バロックの塔で知る、ひねくれ者の「最後の本音」
最後に、現代に残された「バロックの塔」へ。
モンスターが巣食う危険な塔になっていますが、最上階にはバロックが残した石碑がありました。


そこには、偏屈で人間嫌いに見えた彼が、実は誰よりも繊細で、友や娘、そして芸術に対して純粋な想いを持っていたことが記されています。
過去編では「変なオヤジ」としか思っていませんでしたが、数百年の時を超えて彼の本音に触れると、不思議と愛着が湧いてきます。
彼の作った奇抜な塔が、現代では観光名所(?)のように残っているのも、なんだか救われた気分になりました。
まとめ:時間は戻らないからこそ美しい
「同じ一日を繰り返す」というSF的なギミックで始まり、最後は「過ぎ去った時間は二度と戻らない」という、ペペやバロックの人生を通じた切ないメッセージで終わる。
非常に完成度の高い、そして大人になった今だからこそ心に刺さるシナリオでした。
グリンフレークから続く人間ドラマに決着がついた今、少し重たい気持ちを引きずりつつも(笑)、次の石版を求めて旅を続けようと思います。
免責事項
このページで利用している株式会社スクウェア・エニックスを代表とする共同著作者が権利を所有する画像の転載・配布は禁止いたします。
© 2000 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/HEART BEAT/ARTEPIAZZA/SQUARE ENIX All Rights Reserved.



コメント