PS版『ドラゴンクエストⅦ』の中盤、主人公一行が訪れるクレージュ地方は、井戸水が美味しいはずの素朴な村が、恐るべき異常事態に包まれている場所でした。
村人たちは狂乱し、自らを魔王と名乗るという、シリーズでも屈指のコミカルかつシリアスなシナリオが展開します。
この冒険では、過去の村を救うために奔走し、その結果として現代に生まれた世界樹の大きな恵みを得ることができます。
村人が魔王を自称する「中二病寒村」
訪れた過去のクレージュの村は、神木のすぐ近くにあり、村人全員が自分が魔王であると思い込んでいるという異常事態に見舞われていました。

村から少し離れたところにある旅の宿屋に行くと、かつての村の様子を聞けました。
「井戸水がとても美味しい素朴な村」と評価されていたにもかかわらず、この異変により、訪れる直前には「今のあの村に行くのはやめろ」と忠告されます。

話しかける村人はみな魔王を自称して偉そうな口を叩き、【ベギラゴン】や【メラゾーマ】、【イオナズン】を唱えようとしますが、当然成功しません。
この有様はネット上で「中二病寒村」などと呼ばれる始末です。
村人全員がおかしいため、宿屋などの施設は利用できず、面倒ですが村の近くにある旅の宿屋を拠点にする必要がありました。
神木と神木の少女
この異変の裏には、村唯一の井戸に毒を撒き、村人たちに「自分は魔王だ」と思い込ませる呪いをかけた魔物の手先あやしい男の存在がありました。
主人公たちは、ご神木にいる神木の少女との出会いと協力を得て、神木の朝つゆの浄化の力をもって、この呪いを解くべく行動を開始します。
神木の少女との出会いと「あやしい男」の登場
クレージュで村長に話した後、北にあるご神木へと向かうと、井戸の水源汚染の影響で病に伏せていた神木の少女が寝ています。
主人公たちはエルフのみずさしを用いて神木の朝つゆを汲み、彼女に使用することで病を治します。

実は、少女は神木を守るため、元々神木に近づく人を減らそうと「祟り」の噂を流していました。
しかし、この噂を魔王の手先であるあやしい男が利用し、「本当の魔王なら神木を伐り倒してもタタリに遭わないハズだ」と村人を煽ることで、神木を切り倒させようと企んでいたのです。
井戸浄化計画の妨害と「神木の根っこ」への潜入

回復した神木の少女から村人を救うよう提案され、主人公たちは行動します。
日頃から朝つゆを利用していたためか、唯一影響が少なかった村長だけは、朝つゆを飲んで正気に戻ります。
村長と共に、村唯一の水源である井戸に朝つゆを撒き浄化しようと試みますが、これを阻止しようとするあやしい男によって妨害されます。

男は主人公たちが井戸に毒を撒こうとしていると喧伝し、井戸の周りは正気を失った村人でびっしりと囲まれてしまい、井戸に近づけなくなってしまいます。
そのため、主人公たちは神木の少女に教えられた地下水脈への道である神木の根っこから、井戸の地下へ潜入することになります。
神木の根っこ攻略

神木の根っこは、空洞化した根の部分にあり、根の表面を歩き、飛び降りて進む場所もあるなど複雑な迷宮ダンジョンでした。
この根っこの最深部、クレージュの井戸の地下に潜み毒をばらまいていたいどまじんを撃破し、井戸を浄化することで、黒幕であるウルフデビルとの決戦を迎えます。
井戸の毒の根源「いどまじん」

神木の根っこの最深部、クレージュの井戸の地下に辿り着くと、毒をばらまいていたいどまじんとのボス戦となります。
いどまじんはトラップ系モンスターの一種で、作品によっては雄叫びや石つぶてなど幼稚なタイプのこともあります。
『DQⅦ』では【ラリホーマ】、【ベホイミ】、【メラミ】といった呪文を使いこなす魔法タイプです。
戦闘後、その場にある井戸に神木の朝つゆを使うことで井戸を浄化します。
これにより、村人たちを狂わせていた呪いが解け、村人たちは正気を取り戻します。
黒幕「ウルフデビル」との決戦

井戸の浄化によって村人たちが正気に戻ると、聖なる力に苦しみ始めたあやしい男が正体を現し、悪魔の姿ウルフデビルとして襲いかかってきます。
この戦闘は連戦ではないものの、ウルフデビルはバイキルトとばくれつけんを使う強敵であるため、井戸のロープを登る前に回復しておくことが推奨されます。
ウルフデビルは【マホトーン】や休み系が有効です。

激闘の末ウルフデビルを撃破し、村長の家で一泊すると、翌日、畑にいる農民から石版がもらえます。
また、神木で少女に話すとお礼としてしゅくふくの杖がもらえます。
クルエイチ何でもない農民から石板貰うの、地味に難易度高いですよねぇ…
現代のクレージュ:「世界樹のしずく」
現代のクレージュは、過去の小さな村から大きく姿を変え、町へと発展しています。
過去のご神木は巨樹・世界樹となり、その世界樹から採取された強力な回復アイテム「せかいじゅのしずく」を販売する店ができており、常に多くの客で賑わっています。
世界樹へと成長した神木と発展した町
現代のクレージュは、過去の質素な村から中規模な町へと発展しています。
過去のご神木は世界樹へと成長しました。


過去の事件で「水源がたった一つしかなかった」ことが原因だったため、その教訓を活かして町中には網の目のように水路が張り巡らされ、井戸も複数作られています。
神木の少女は、現代の青い小鳥となって今も世界樹を見守り続けていることが示唆されています。
PS版特有!「せかいじゅのしずく」の大量購入裏技


現代のクレージュでは、世界樹の恩恵として、貴重なアイテムせかいじゅのしずくが店で1000Gで購入できます。
使うとパーティ全員のHPが全回復する(アイテム版ベホマズン)強力な回復アイテムです。
PS版では、通常は1度に1つしか購入できませんが、【わたす】コマンドを利用して、先頭キャラと袋以外の仲間に持たせてから再度列に並ぶことで、最大37個まで大量に買い込むことができる裏技が存在します。
この裏技は、今後の強敵との戦闘や冒険の準備に大いに役立ちます。
まとめ
クレージュ地方は、村人全員が魔王を自称する異常な光景と、それを裏で操る魔物との戦いが印象的なシナリオです。
この事件の教訓は、「水源がたった一つしかなかった」こと、つまりリスクを分散することの重要性でした。
その教訓が現代に活かされ、クレージュは美しい町へと発展しました。
また、現代のクレージュで手に入る【せかいじゅのしずく】は、PS版特有の裏技を利用することで大量に入手可能であり、終盤の攻略を支える重要なアイテムとなるでしょう。
このクレージュの物語は、リスクが集中することの恐ろしさを象徴していると言えます。
一つの水源に頼っていたために村全体が魔物の毒に支配されてしまった状況は、金融や情報セキュリティの世界で「単一障害点(Single Point of Failure)」を作ることの危険性に似ています。
過去の教訓を活かし、井戸や水路を増やしてリスクを分散させた現代のクレージュは、まさに安定と繁栄を手に入れた姿だと言えるでしょう。
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