PS版『ドラゴンクエストⅦ』の旅も中盤から後半に差し掛かり、プロビナ、マーディラスと並行して攻略可能なルーメン地方へと足を踏み入れました。
光の単位と同じ名前を持つこの町が、実は「破滅、滅亡」を意味する単語を連想させるほど、凄まじい災厄に三度も襲われるとは、想像もしていませんでした。
第一の災厄
初めて過去のルーメンを訪れた際、町は闇に閉ざされ、住人は何百年もの間、老いも死にもできない生き地獄を強いられていました。
この災厄は、ルーメンを何百年も闇に閉ざし、住人を絶望の生き地獄に追い込んだ元凶であるやみのドラゴンによる封印が原因でした。
コミカルな支配者ボルンガを倒し、闇のドラゴンの塔を攻略することで、ついにルーメンは光を取り戻すことになります。
町を支配するコミカルな支配者ボルンガ

ルーメンの町は魔物に占領されており、島自体が封印されて入れないようになっていました。
石板ワープで入ってきた主人公たちは、入り口と町長屋敷でベビーゴイルやピンクオークと戦う羽目に…

町の奥へ進むと、支配者の元締めであるボルンガが町長の屋敷に居座っていました。
PS版ではグレイトホーンと同じ見た目のモンスターで、戦闘前に風呂に入っていて湯冷めしたからと襲いかかってくるなど、言動はどこかコミカルな印象が強いボスでした。
しかし、実際にはボルンガは、大陸を吹き飛ばすほどの実力を持つ闇のドラゴンを制御するという、非常に重要な役割を担っていたという実力者。
ボルンガを倒した後、部屋のタンスから闇の塔の鍵を入手しました。
難関ダンジョン!闇のドラゴンの塔

鍵を使って、ルーメンの西にある、ボスの名を冠した珍しいダンジョン、闇のドラゴンの塔へ突入しました。
この塔は魔物が3日3晩寝ずに頑張って作ったらしいのですが、内部はスイッチや落とし穴、バリアゾーンといった仕掛けが満載で、構造も複雑に入り組んでおり、攻略には時間がかかりました。
特に、強力なブレスを吐くグリーンドラゴンや、ベホマスライムと組んで出現する敵集団など、出現モンスターも厄介で、なかなかの難易度でした。
クルエイチ3階の小部屋には「まどろみのけん」が入っている宝箱が!
高い攻撃力と眠りの追加効果をもつ便利な武器です。
大陸を吹き飛ばす!?やみのドラゴン


塔の最上階で、ルーメンに闇の封印を施していた元凶、黒竜のやみのドラゴンと対決しました。
ボルンガの制御を失い暴走しかけているというこのドラゴンは、本気を出せば大陸ごと全てを吹っ飛ばすほどの恐ろしい実力を持つとされていました。


攻撃パターンは激しい炎や氷の息を使う正統派のTHE・ドラゴンでしたが、直前のザコ戦から休みなしの連戦となるため、しっかりと回復しておかないと危険。
ちなみに、私は運良く猛毒の霧が効いたので、攻略難易度は少し下がった気がします。
撃破した瞬間、ルーメンに何百年ぶりかの光が戻り、感動的なシーンでした。
第二の災厄
闇のドラゴンを倒し、封印を解いたはずなのに、現代のルーメンは滅亡した廃墟のままでした。
再び過去に戻ると、光が戻ったことで、以前からこの地に潜んでいた巨大人食い植物ヘルバオムが復活し、町は凄惨な地獄絵図と化していました。
この災厄は、魔王軍とは無関係の、その土地に定着する野生のモンスターが引き起こしたという事実が、この町の不運さを象徴しています。
現代ルーメンで目の前の光景に愕然


闇のドラゴンを倒し、これで一安心と現代へ戻りましたが、ルーメン地方に到着すると、町はなぜか滅亡した廃墟のままでした。
長年の封印から解放されたはずなのに、この異常すぎる光景には愕然としました。
仲間からも「この町って何かに呪われてるのでは」という疑惑が出るほどで、すぐに過去へ戻り、何が起こったのかを調査しました。
過去へ再突入!ヘルバオムの根っこ


過去に戻ると、ルーメンの町は地獄絵図でした。
光が戻ったことで蘇った巨大食人植物ヘルバオムの、うねうねとした触手のような根っこが町中を這い回り、住民を次々に地中へと引きずり込んでいました。
闇のドラゴンに支配されていた時でさえ、住人は最低限生きていられましたが、この惨状を見て「暗いままの方がマシだった」と語る町民がいたのも納得です。


このヘルバオムこそ、闇のドラゴン襲来以前からこの町を苦しめていた、時系列的にはルーメンにおける最初の災厄だったのです。
また、この惨事の中で、町長のシーブルを救うために、彼に可愛がられていたばくだんいわのロッキーが自爆するという、涙なくして語れない出来事もありました。
井戸の底に潜むヘルバオム戦


ヘルバオムの本体は、町の井戸から通じるルーメンの洞窟の奥深くに潜んでいました。
洞窟内には捕食された人々の骸骨が転がっており、町の悲劇を物語っていました。
ヘルバオム戦は、両脇にいるヘルバオムのねっことの連携が厄介で、攻撃一辺倒だったやみのドラゴンとは対照的に、あまいいきや猛毒の霧、マホトーンといった搦め手を多用する頭脳派のボスでした。
呪文を封じられると危険なので、まずは根っこから優先して倒し、メラ系やギラ系の呪文で本体を攻撃しました。
第三の災厄


二度の災厄を取り除いたにもかかわらず、現代のルーメンは依然として滅亡したままでした。
三度目の訪問で明らかになったのは、巨大な魔物ではなく、町長のシーブルが拾った小さな虫モンスターチビィを巡る、人間たちの心の闇でした。
プレイヤーは、町民の不安とチビィの純粋さを天秤にかけ、ルーメンの未来を決定づける重い選択を迫られることになります。
滅亡の謎を追う三度目の過去訪問


三度目の過去訪問時、町には特に目立った異変はありませんでしたが、町長シーブルがヘルバオムの根っこにくっついていた虫をチビィと名付けて可愛がっていました。
チビィは短期間で巨大化し、その姿はサンドワームと同じ、見るからにモンスターでした。
度重なる災厄を経験した町民たちは、その姿に恐怖心を抱き、「また町を脅かすのではないか」と不安を募らせました。
住民がチビィの排除を求めてシーブルの屋敷に集団で直談判した際、シーブルを守ろうとしたチビィの行動が、町人によって「バケモノが襲ってきた」と誤って広められ、チビィ討伐の意見が強くなりました。
「チビィを殺すか、逃がすか」の決断


そしてついに、町民たちは私たち主人公一行にチビィの退治を依頼してきました。
ルーメンの運命は、この依頼を「承諾してチビィを殺すか」あるいは「断ってシーブルに知らせ、逃がすか」という、プレイヤーの判断によって決定されます。
この選択は、「なにを信じるのか」というテーマをプレイヤーに突きつける、DQ7の中でも特に印象深い場面でした。
チビィ討伐ルート


チビィ討伐ルートでは、現代でルーメンの町は復活しません。
町民の依頼を受け、チビィ討伐ルートを選んでいた場合、夜にシーブル邸でチビィと戦うことになります。
チビィはヘルワームより強化されており、意外に手ごわいボスです。
…が、攻撃面はそれほど強くないので負けることは無く、時間をかければ討伐は可能でした。


しかし、チビィを倒した直後に、チビィと同じ種類のヘルワームの大群が町を襲撃し、町は壊滅してしまいます。
主人公たちはシーブルと共に井戸に避難しますが、夜が明けると町は完全に滅亡しており、シーブルはチビィの怨念が仲間を呼んだのではないかと自責の念に苛まれるという、救いのない結末を迎えます。
チビィを逃がすルート
チビィを逃がすルートでは、現代にルーメンが復活します。


チビィを信じ、町人の依頼を断りシーブルにその旨を伝えました。
シーブルはチビィをこれ以上町に置いておくのは無理だと判断し、夜を待ってルーメン東の丘にチビィを逃がしに行きました。
その直後、チビィ討伐ルートと同様にヘルワームの大群が町を襲撃しましたが、逃がしたはずのチビィが突然現れ、身を挺してヘルワームの群れを退けてくれました。


町は救われましたが、チビィはその代償として命を落としてしまいました。
このチビィの自己犠牲により、ルーメンは現代に滅びずに残ることになったのです。
現代に伝わる「勇者チビィ」伝説


チビィを逃がすルートを選んで現代に戻ると、ルーメンは滅びを免れ、「勇者チビィ」で有名な町として復活していました。
しかし、伝承ではチビィは魔物という事実が忘れられ、人間の英雄として扱われていました。
さらに、チビィが三度の災厄(闇のドラゴンやヘルバオム)をすべて退けたことになっており、私たち主人公一行はチビィの「子分」という扱いになっていました。
主人公たちの活躍が尾ひれをつけられて伝わってしまったことには苦笑いしましたが、チビィの自己犠牲という最も大事な事実は受け継がれているため、今回はチビィに英雄の座を譲ろうと思いました。
まとめ
ルーメン地方のストーリーは、闇のドラゴン、ヘルバオム、そしてチビィと、三度も異なる災厄に見舞われる、非常に濃密なエピソードでした。
特にチビィを巡る選択は、未来の歴史を左右するという、DQ7の根幹にあるテーマをプレイヤーに深く考えさせるものでした。
モンスターであるチビィの純粋な優しさと、度重なる危機に晒された人間の心が引き起こす悲劇、そして「見た目で判断する危うさ」が描かれており、DQ7屈指の重厚なシナリオだったと強く感じています。
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