『ドラゴンクエストⅦ』の冒険を進める中で、プロビナ地方は、ルーメン地方やマーディラス地方と並び、攻略順序を自由に選べる中盤の重要な地域です。
この物語の舞台は、記憶を失った神父が流れ着いた際に持っていた「黄金の女神像」の魔除けの力により、魔物の脅威から守られてきた村、プロビナです。
しかし、魔物の巧妙な策略に村長の息子ラズエルが踊らされた結果、平和の象徴であった女神像が破壊され、村は魂を抜き取られるという凄惨な悲劇に襲われます。
本プレイ日記では、村人を守るために自己犠牲の道を選んだ神父の崇高な行動と、その遺志を継いだ主人公たちがボス「りゅうき兵」に立ち向かう激闘の記録を辿ります。
PS版特有の裏技である「プロビナ飛ばし」にも触れながら、深く心に残るプロビナ地方の物語を振り返ります。
過去のプロビナ:女神像と平和の脆さ
プロビナは長らく黄金の女神像の加護で平和を保っていましたが、魔物の巧妙な策略と村長の息子ラズエルの衝動的な行動により、その平和は一瞬にして崩壊しました。
絶望の淵で、私たちは唯一の希望となる強力な武器を手に入れることになります。
ラグラーズ国からの侵攻

プロビナの村に着くと、早々に村人に止められました。
どうやらラグラーズという国から侵攻を受けそうな気配があるようです。
今のところは狙われているだけのようですが…
村を守る「黄金の女神像」の力
プロビナ山頂の教会に祀られていた「黄金の女神像」は、記憶喪失の神父が流れ着いた際に持っていたもので、強力な魔除けの力を持っていました。
この像の力によって、村は長期間魔物の脅威から守られてきたのです。

しかし、その黄金の女神像を狙ってか、ラグラーズ国の軍勢が押し寄せてきます…
女神像のせいで軍事国家ラグラーズから村が狙われていると誤解した村長の息子ラズエルは、「争いの種を無くす」という考えから女神像を教会から持ち出します。
絶望的な状況下で入手「プラチナソード」

ラズエルを追って教会からプロビナの村に戻ると、犬が武器屋へ入っていく様子が不自然にわりこまれます。
犬を追ってプロビナの武器屋を訪れると、店主は魔物と戦う主人公たちに、家宝の「プラチナソード」を無償で譲ってくれました。
クルエイチメルビンにとってはこれ以上の攻撃力を持つ武器がほぼ無く、数少ないより強い武器も入手が面倒なため、実質最後の武器になります
ラズエルの衝動的な行動と悲劇の幕開け


ラズエルは、「争いの種を無くす」という考えから、ラグラーズ兵たちの目の前で女神像を破壊してしまいました。


しかし、これは女神像の力を疎ましく思う魔物たちの罠でした。
ラグラーズ兵は実は魔物が化けた姿で、村人自身の手で像を壊させるために仕掛けた巧妙な罠だったのです。
加護を失ったプロビナの村にはたちまち魔物が侵攻し、村人たちは皆、魂を抜き取られて壊滅状態に陥ってしまいました。



魔除け効果のある女神像のせいで村に近づけない魔物たち。
そこで、村人地震に女神像破壊をする作戦を採用したようです。
神父の記憶と自己犠牲の決断
村の壊滅を目の当たりにし、長らく記憶を失っていた神父の過去が蘇りました。
彼は自身が魔物の標的であると考え、主人公たちを守るために自らを犠牲にするという、崇高な決断を下しました。
記憶を取り戻した神父の行動


魔物による襲撃を目撃した神父は、かつて魔物に襲われ海に落ちてプロビナに流れ着いた自身の過去の記憶を取り戻しました。
彼は、魔物たちの真の狙いが、像ではなく自分自身にあると確信します。
神父は、村を救うため、そして主人公たちとラズエルを魔物の手から守るため、自らが囮となる道を選びました。
彼は主人公たちとラズエルを教会の地下室に閉じ込めることで、半ば強制的に匿い、村が壊滅するまで外に出られないようにしました。
神父の慈愛に満ちた人格が、この自己犠牲の行動に表れています。
解決の鍵となった「女神の絵」


神父が命を落とした後、彼の荷物の中から「神父のカギ」と共に「女神の絵」が見つかりました。
この絵に秘められたメッセージをラズエルは理解できませんでした。
一方主人公たちは理解できて、破壊された女神像の破片を教会の北にある祠の泉に投げ入れ、像を修復するという解決策を発見します。
PS版限定秘技・プロビナ飛ばし
PS版『ドラゴンクエストⅦ』には、ストーリーの進行を大幅にショートカットできる「プロビナ飛ばし」というバグ技が存在しました。
このバグを利用すると、ボス戦を回避しつつ現代のプロビナを出現させることができます。
この技は、魔物の化けたラグラーズ軍が橋に攻めてくる場面で、橋の前にいるラズエルに特定の操作(方向ボタンと△ボタンの同時押しなど)で話しかけることで発生します。
これによりラズエルの別れの言葉が現代プロビナ復活のフラグとなり、過去の事件が未解決のまま現代へと進むことが可能となります。
時短効果はそれほど大きくありませんが、ボス戦で手元からなくなってしまうはずの「女神像の上半身」と「女神像の下半身」をアイテムとして残せるため、アイテムコンプリートを目指すプレイヤーにとっては必須の裏技でした。
ボス「りゅうき兵」攻略
女神像の修復を阻止するために立ちはだかった魔物の親玉、りゅうき兵は、その圧倒的な強さで主人公たちを絶望させました。しかし、ラズエルの機転と女神像の力によって、状況は一変します。
最初の戦闘は「負けバトル」


女神像の修復を妨害するために現れたボス「りゅうき兵」は、初戦ではHP9999という桁違いのステータスを持ち、完璧な耐性を誇り、強力な「バギクロス」や「ばくれつけん」で攻め立ててくる強敵でした。
この戦闘は、まともに戦って勝てる相手ではなく、主人公たちが敗北するか、6ターン目のりゅうき兵の行動順でイベントが発生し戦闘が中断する特殊な戦闘です。
多少レベルが低くても、「アストロン」などで必死に防御すれば耐えられる。
敗北しても良いので、わざわざ耐える意味はあまりないが…



めちゃくちゃレベルを上げて、職業も極めていれば、6ターン以内にHP9999を削って勝利することが可能。
勝っても負けた前提で話は進むのですが…
弱体化後の強制勝利戦


戦闘の途中でラズエルが壊れた女神像を泉に投げ入れ修復に成功すると、女神像の力によってりゅうき兵は一気に弱体化しました。
HPは1200にまで下がり、通常攻撃しか使わなくなる上に状態異常耐性も失うという悲惨な状態となり、この再戦は非常に簡単なものとなりました。
この戦闘は、万が一プレイヤーが負けてしまっても勝利したものとして話が進む、「強制勝利戦闘」という珍しい形式でした。
りゅうき兵は倒される際、せめてもの道連れとして女神像を粉々にしましたが、村人たちの魂は無事に体に戻っていきました。
現代のプロビナ訪問
過去の事件が解決されたプロビナ地方は、現代においてオルフィー地方の南西に出現しました。
過去の悲劇の教訓と、ユーモラスな後日談が村には残されていました。
復興した村と再建された教会
現代のプロビナでは、過去のイベントで破壊された山頂の教会も再建されています。
村長の家は老人いこいの家に変わっており、平和な様子がうかがえます。
洞窟内にはトラップモンスター以外は魔物が出現しなくなっており、安心して探索できるようになりました。


教会へ向かう途中で老人に出会います。
疲れた老人を支えて教会まで行くと、なんと老人は教会の神父だったと発覚します。
現代のプロビナ山洞窟で「ふしぎな石版黄」を、山頂の教会では「ふしぎな石版緑」を入手することができ、今後の冒険に必須となります。



山頂の教会の1Fにある緑の石板は、視点を回転させないと見つかりにくいので注意!
魂が入れ替わった農夫の子孫
過去の事件で魂が抜かれた際、農夫と一匹の牛の魂が入れ替わってしまうという出来事がありました。
その結果、現代のプロビナでは、その農夫の子孫が牛と話ができる能力を受け継いでいるという、ユニークな設定が残されています。
まとめ
プロビナ地方の物語は、人間の衝動的で誤った判断(ラズエルによる女神像破壊)が招いた悲劇と、それに対抗した神父の「いかなる時も人を信じ 人を愛せ」という教えを体現したような、自己犠牲の精神が際立つエピソードでした。
神父は命を落としましたが、彼の努力と献身はプロビナの村で正確に語り継がれており、その活躍が報われた場所として深く印象に残ります。
また、PS版特有のバグ技や、牛と農夫の魂の入れ替わりといった小ネタも、この地方の物語に奥深さを加えています。
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